IT革命は病院医療をどう変えるか・2
遠隔医療—沖縄県における離島医療支援情報ネットワークのかたちで
崎原 永作
1
1沖縄県立中部病院地域・救命救急診療科
pp.260-262
発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903231
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県民は「いつでも」,「どこでも」,「誰でも」適切な保健医療サービスが受けられるよう総合的な保健医療供給体制の確立を目指すとの掛け声のもとで,沖縄県は早くから離島医療支援の施策に取り組んできた.沖縄の地理的特殊性により,遠隔医療支援はいつでも本県にとって重点施策として位置付けられ,数々の試みがなされてきた.ところがその試みは試行錯誤の連続であり,決してすべての施策が十分な成果を上げられたわけではない.失敗に至った原因としてコンピュータの能力,画像処理技術,大容量の情報を圧縮し伝送する技術,そして情報通信インフラストラクチャの整備など当時の科学技術がまだ成熟していなかったとの見方がある半面,利用する現場の視点が欠けていたことも大きな要因といわれている.
近年のコンピュータ技術の発達の速度は目を見張るものがあり,数年前までは困難であったことが軽々と実現できるようになった.しかし,技術革新があまりに目覚ましいために,ややもすると遠隔医療の論議が技術論にのみ終始する傾向にあることも否めない.
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