Laboratory Practice 〈病理〉
沖縄県離島における遠隔病理診断環境
新垣 善孝
1
1沖縄県立南部医療センター・こども医療センター検査科
pp.498-503
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207191
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はじめに
沖縄県は49の有人島と多数の無人島からなる島嶼県であり,その県域は東西約1,000km,南北約400kmと広大で,国内でもかなり特異な地域といえる.県民の9割は沖縄本島に集中しているが,それは医療においても同様で都市部への医療従事者の集中や病理専門医の慢性的な不足・偏在(図1)は国内の他地域と同様である.このような状況下において,離島の各保健医療圏にある沖縄県立宮古病院(以下,宮古病院),沖縄県立八重山病院(以下,八重山病院)では情報技術(information technology:IT)を活用し,沖縄本島の琉球大学医学部附属病院(以下,大学病院)と連携した遠隔病理診断(テレパソロジー)を行うことで,地域医療格差の軽減を図っている1).
本稿では,筆者が2013〜2015年の3年間赴任していた八重山病院の遠隔病理診断環境を紹介するとともに,業務を通して見えてきた課題と今後の展望を交えて紹介したい.
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