特集 保健活動と公共性—公的責任の現代性
情報かつくる公共性—「関係」としての保健情報に向けて
阿部 潔
1
1関西大学総合情報学部
pp.275-279
発行日 1997年4月10日
Published Date 1997/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902855
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情報化社会は「豊かな社会」か
情報化社会という言葉がもてはやされて既に久しい。最近では,マルチメディアやインターネットの文字を新聞や雑誌の紙面に見ない日がないほどである。確かに,家庭向け高性能コンピュータが比較的廉価で売り出され,ポケベル,携帯電話,PHSといった新規の情報機器が若者層を中心に急速に普及している。その点では,われわれはまぎれもなく「情報化」社会に生きている。そして疑いもなく,その恩恵に与っている。
しかしながら,そうした情報化にある種の戸惑いや不安を感じるのも事実であろう。「このような社会は,われわれを豊かにしてくれるのか」という素朴な疑問が,情報化が現実味を帯びれば帯びるほど,ふつふつと沸き上がってくる。
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