巻頭 
                        
                        
                
                  
                  
                  
                  
                            
                                    
                                    
                                    
                                    
                            
                            
                
                
                
                            
                            
                  
                            
                                
                            
                        
                
                
                
                            
                        
                
                
                            
                            
                            
                  
                            
                                    
                                    研究の公共性
                                    
                                    
                            
                            
                        
                
                
                            
                            
                                
                                    
                                        
                                            
                                                本川 弘一
                                            
                                            1
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            
                                        
                                    
                                
                                
                                    
                                
                            
                        
                
                
                
                  1東北大学医学部生理学教室
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                            
                            
                        
                
                            
                            
                        
                
                pp.1
                
                
                
                  
                  
              
              
              
                  発行日 1954年8月15日
                  Published Date 1954/8/15
                
                
                
                DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905786
                
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- 文献概要
吾々は一般妥当性をめざして科学の研究を行つている筈なのに,科学者の中には案外に独りよがりが多い。殊に日本人はそうした傾向が強いのではないかと思う。それは年々歳々の学会に出かけても屡々見受けられる風景である。多くの人達は意識せずして独善をふり廻しているのであろうから罪は少ないとの理窟は成り立つかも知れないが独善を恥じないという風習が罷り通るということに対しては反省すべきものがあると思われる。
卑近な例を取れば.学会の演者は司会者や聴衆のことなど少しも考えないで,ひたすら自分の研究を発表しようとする。そのため定刻を週ぎても口演を止めない。多くの人達に興味もなく,またさして大切でもなさそうなことを唯自分が骨折つたということを示さんがためにくどくどと述べ立てる。従つて何を云つているのかさつぱり分らないような口演が多い。
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