特集 「社会の声」を聞く
「社会の声」と医療人の提言
医業の公共性の明確化
薗部 雅一
1
1兵庫医科大学
pp.28-30
発行日 1976年12月1日
Published Date 1976/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206085
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高医療費への苦情
「社会の声」として提供された7名の方の声を要約すると,高医療費に対する苦情につきる.
国民皆保険制度下にありながら,この苦情が生じる直接の原因として,差額(3件),付添,過剰投薬,チップなど,主として給付外不当要費を指摘している.また,間接原因には,医歯学系の過大な教育要費(3件),看護婦不足などをあげている.水まし請求を指摘した声もあるが,不正事実は躊躇するところなく,「天の声」として摘発し,処罰の対象にすべきではなかろうか.問題は,法制と現実とのギャップに起因する不当なケースを,いかに是正するかということであろう.「社会の声」は,当面の対応策として,保険料,診療報酬の改訂を提言しているほかに,保険制皮,看護制度の抜本的な改革から,医療国営という大問題まで,提起している.
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