一頁講座 ユニバーサルデザイン
公共交通
秋山 哲男
1
1東京都立大学大学院都市科学研究科
キーワード:
移動制約者
,
移動困難者
Keyword:
移動制約者
,
移動困難者
pp.277-279
発行日 2004年3月10日
Published Date 2004/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100722
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ユニバーサルデザインの都市交通
高齢者・障害者がいきいき暮らせるまちづくりを求めて,交通をどのように考えることでそれが達成できるかについて,ユニバーサルデザインの観点から述べたい.
ユニバーサルデザインの都市交通とは,すべての人が利用できることを大前提とする.そのために,まず,高齢者・障害者などの移動制約者をどのように捉え,どのような交通手段で対応すべきかが不可欠である.私の考えるユニバーサルデザインの基本は,すべての人が外出できる交通手段をすべての人に用意することである.この点からわが国の公共交通の現状はまだそこに至ってないのが現状で,その点からもユニバーサルデザインになってない.しかしユニバーサルデザインのもう一つの概念はいかにすべての人に使える交通手段を用意するかの努力の過程でもあり,それを成し遂げるプロセスも重要である.
本稿では,まず移動制約者・移動困難者の概念について述べ,第二に,バス・タクシーなど路面交通のなかで高齢者・障害者の交通システムがどのように位置づけられるかを明らかにする.高齢者・障害者専用の交通手段のほとんどは割愛するが,「イミダス2004年版」を参考にされたい.
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