研究
呼吸器疾患患者の喫煙状況
多田 敏子
1
1徳島大学医療技術短期大学部看護学科
pp.38-41
発行日 1997年1月10日
Published Date 1997/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902842
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●要旨
地域の健康教育における禁煙指導に役立てるために,喫煙による影響が大きいとされている呼吸器疾患にすでに罹患している人を対象に,喫煙習慣と症状および生活習慣との関連を質問表を用いて調査し(回収率754%),202人(男性のみ)の結果を検討した。
対象者の平均年齢は68.6±7.9歳と高齢であった。そのうち非喫煙群は14.4%であり,喫煙群の内,禁煙している者は76.7%であったが,現在も喫煙している者は9%みられた。喫煙本数を見ると1日あたり20〜29本を回答した者が最も多く47.4%であった。平均喫煙本数は25.7本であった。喫煙開始年齢は,大半が20歳前後であり,喫煙期間の平均は358年であった。
喫煙習慣と自覚症状との関連では,風邪をひきやすい,痰の喀出困難等の6項目(9項目中)で,喫煙群は非喫煙者に比べて高い割合を示した。
喫煙習慣と生活習慣との関連では,喫煙群では家族が喫煙しているのは41.0%であり,非喫煙群の17.2%に比べて,統計学的にも有意な差がみられた。
以上のことから,呼吸器疾患患者は喫煙経験を有する者が多く,喫煙と自覚症状との関連も大きいことから,家族を含めて禁煙教育をすることの重要性が示唆された。
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