特別寄稿
ハンセン病の知識の普及にご協力を
成田 稔
1
1日本ハンセン病学会
pp.35-37
発行日 1997年1月10日
Published Date 1997/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902841
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日本らい学会から日本ハンセン病学会へ
日本らい学会(日本医学会第35分科会)は,1996年4月26日の第69回総会(岡山)において,ハンセン病をらいに代わる病名として認めるとともに,日本ハンセン病学会と名称を変更した。これは,1996年4月1日に施行された「らい予防法の廃止に関する法律」の第13条に,“らいをハンセン病に改める”とある法文にならったのはたしかだが,それよりも,らいという病名を忌みきらう患者の思いを汲んだことのほうが大きい。
古い昔から,らいには不治とか醜悪とかいったイメージが付きまとっていたために,患者は自らの病気を“本病”と呼ぶのが習わしだった。しかしこの不快なイメージも,プロミンにはじまる化学療法の普及に伴い,わが国でも1948年あたりからは急速に払拭された。このような現実に即して,当時すでにスター誌(カービル療養所注1)の患者によるハンセン病関係情報誌)が提唱注2)していたハンセン病への病名変更を,全患協注3)も強く要望しつづけてきたが,日本らい学会はらいは学名であって変更は不適切と主張していた。
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