Japanese
English
特集 生活習慣と呼吸器疾患
喫煙と呼吸器疾患
Cigarette Smoking and Respiratory Disease
三浦 佳代
1,2
,
瀬山 邦明
1
Kayo Miura
1,2
,
Kuniaki Seyama
1
1順天堂大学医学部呼吸器内科
2順天堂大学医学部乳腺・内分泌外科
1Department of Respiratory Medicine, Juntendo University School of Medicine
2Department of Breast and Endocrine Surgery, Juntendo University School of Medicine
pp.763-772
発行日 2011年8月15日
Published Date 2011/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101755
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はじめに
喫煙は全身において悪性腫瘍,動脈硬化など様々な疾患の危険因子であるが,特に呼吸器系は大きな影響を受ける.つまり,肺は気道を介して直接外界と連続している解剖学的な特性上,喫煙,大気汚染などの外来性刺激や病原微生物に曝露するため,炎症による組織障害や発癌などのリスクが高い.喫煙がリスクを高める呼吸器疾患として,肺癌,慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD),気管支喘息,間質性肺疾患,睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome;SAS),呼吸器感染症(風邪症候群,インフルエンザ,肺炎など),自然気胸などが挙げられる.また,疾患に対する直接影響ではないが,手術例(特に全身麻酔下による)では術前の喫煙習慣が術後の呼吸器合併症の発生率を高めることや,創傷治癒障害のリスクを高めることが知られている(表1,図1).
本稿では,喫煙により発症あるいは悪化する代表的な呼吸器疾患について,各疾患の概要と喫煙との関連性について述べる.
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