研究・報告
親の喫煙が幼児のう蝕発生に及ぼす影響と受動喫煙の状況
和田 聖一
1
,
兼平 孝
1北海道歯科衛生士専門学校
キーワード:
質問紙法
,
う蝕
,
タバコ喫煙
,
歯科健康調査
,
出生順位
,
食行動
,
食事調査
,
タバコ煙公害
,
父
,
母
,
有病率
,
乳幼児健康診査
Keyword:
Birth Order
,
Diet Surveys
,
Dental Caries
,
Mothers
,
Feeding Behavior
,
Prevalence
,
Tobacco Smoking
,
Fathers
,
Dental Health Surveys
,
Tobacco Smoke Pollution
pp.217-221
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.34433/J03252.2020212776
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父母の喫煙行動と受動喫煙状況、出生順別にみた母の喫煙行動、父母の喫煙行動別にみた幼児のう蝕有病率を調べた。対象は幼児歯科健診の受診児とその保護者とし、西胆振管内(西胆振)では平成21年度から平成25年度の5年間で1歳6ヵ月歯科健康診査(1歳6健)が6169件、3歳児歯科健康診査(3健)が6342件、宗谷管内(宗谷)では平成25年度から平成29年度の5年で1歳6健が1774件、3健が1806件であった。市町村で実施される両健診にあわせて、食生活調査票と喫煙行動に関する調査票に回答してもらい、集計・分析した。両地域、両健診時とも、56~59%の幼児が受動喫煙環境下にあった。母の喫煙率は出生順別で有意な違いがみられ、両地域とも第1子は最も低く、第2子でやや増加し、第3子以降は最高値であった。母の出生順別の喫煙行動の違いが幼児に与えている影響を調べたところ、調査期間の母の喫煙行動別にみたう蝕平均有病率は「家で吸う」場合が最も高かった。出生順別のう蝕有病率は「吸わない」「外で吸う」「家で吸う」の順に高くなった。父の喫煙行動についても同様であり、出生順にう蝕有病率が増加する傾向がみられた。子育て期にある親への喫煙対策(指導)は、できるだけ早期から父母双方に継続的に行う必要が強く示唆された。
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