研究
家庭訪問における精神障害者の生活を重視したアセスメント項目の検討
津村 寿子
1,5
,
白井 英子
2
,
和田 良子
3
,
七里 トシ
4
1大阪市立大学看護短期大学部
2天使女子短期大学
3徳島県穴吹保健所
4前,長野県中野保健所
5前,藍野学院短期大学
pp.393-403
発行日 1998年5月10日
Published Date 1998/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901776
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要約
本研究は,在宅精神障害者の社会復帰支援のために,「日常生活適応状況」「家族・地域との関連性からみた適応状況」を重視したアセスメント項目を考案し,さらに,新人保健婦の家庭訪問においてアセスメント項目が有効であるかを検討した。
精神障害者の社会復帰支援に必要なアセスメント視点を,①本人(障害者)の健康と日常生活適応状況に関する視点,②家族の健康と暮らし方に関する視点,③近隣居住環境との関連性と社会資源に関する視点とし,アセスメント項目の枠組みを作成した。
さらに,就職1年目の新人保健婦に使用してもらい,その妥当性を検討したところ,アセスメント項目のデータベース表を用いることで,①具体的な援助の指標が考えられる,②事例紹介する際の必要なデータベース項目である,③健康状態を精神・情緒状態と身体状態に分けて観察できる,④家族関係の中で本人の位置づけが意識化できる,という効果があった。さらに,観察の視点が広がり生活条件を整える方向で個別ケアから地域ケアへと関連させることができた。しかし,精神障害者本人の気持ちを抽出して記述することが難しいことがわかり,今後の課題となった。
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