特集 ヘルスプロモーションと口腔保健
地域の中での歯科保健活動—歯科衛生士の立場から
白田 千代子
1
1中野区中野保健所南部保健相談所
pp.286-290
発行日 1998年4月10日
Published Date 1998/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901756
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要約
中野区南部保健相談所では,すべてのライフステージにわたって歯科保健事業を実施している。
住民に口腔ケアの大切さを知ってもらうには,口腔内の菌を測定して数値で示したり,食材を使って調理や試食をしてもらうなど,「来て,見て,体験」が有効であった。
歯の状態がよくなり食事がとれるようになることで,心身の健康を取り戻す場合がある。一方,生活を変えないと口腔の問題が解決しない場合もある。歯科衛生士,保健婦,栄養士など,多職種が連携して事業にあたること,ひいては事業と事業をネットしていくことにより,活動内容に深さと広がりがでる。また,各事業ことに,自主グループづくりを推進し,活動を支援するとともに,他の事業への参加を促すなどしてグループとグループをネットすることにより,住民全体の活動として,地域に定着していくことになる。
毎日使う口腔を切り口に,保健指導,健康学習へと事業を推進する中で,活動の場と人の和の広がりがみられ,地域の住民が主体となったまちづくりの一環としての健康づくりへと発展していった。保健婦はより口腔に関心を持ち,状況に応じて歯科衛生士を使ってもらいたい。
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