特集 ヘルスプロモーションと口腔保健
住民主体をめざした地域歯科保健活動—「よい歯クラブ」の活動から保健婦の役割を探る
大庭 香里
1
,
久保 真知子
1相模原市役所保健指導課
pp.291-296
発行日 1998年4月10日
Published Date 1998/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901757
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要約
相模原市横山地区では,生後8か月〜2歳前後の乳幼児とその母親を対象に「ミニミニ子育て教室〜よい歯クラブ〜」(よい歯クラブ)を行っている。市役所保健婦と保健所歯科衛生士が連携して担当しているが,実際の企画・運営は母親たち(スタッフママ)が協力してくれている。
活動は年4回で,むし歯予防に関する体験学習や,遊びのヒントの紹介,母親同士のディスカッションなどを行っている。また,「よい歯クラブ通信」を発行し,他地区の住民や,参加していない母親にも情報を提供している。
母親主体のクラブづくりをしていくために,保健婦に求められることは,①スタッフママの確保,②スタッフママの自由な発想を引き出せるような環境の用意,③スタッフママのアドバイザーとなること,④横山地区の協力を呼びかけることである。
歯科衛生士との連携を図るためには,①共通の目標を持つこと,②お互いが役割分担を持ち,保健婦としての技術を生かすことが重要であった。
よい歯クラブの活動を通して,地域住民にむし歯予防の“知恵”を広めるとともに,「より豊かな子育て」を母親たちと探っていきたい。また,このような活動は,「行政に対する親しみやすさ」を感じてもらうよい機会でもあると思う。
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