特集 保健婦活動研究論文集
地域の保健情報に対する保健婦および保健婦学生の重要度判定に関する研究
杉浦 静子
1
,
伊藤 千代子
1
1三重県立看護短期大学
pp.219-222
発行日 1996年3月10日
Published Date 1996/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901333
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●要約
地域保健問題把握の手がかりとなる各種の保健情報に対する保健婦の重要性認識度を検討した。対象は保健所保健婦27名,市町村保健婦40名,保健婦学生30名の3集団である。20種の地域保健素情報を提示し,情報の重要度を相対順位づけ法により判定させた。判定得点を3集団間で比較検討した。
その結果,①情報の重要性順位は健康障害そのものに関する情報が高く,次いで保健行動上の問題であり,生活環境の変化に関する情報の順位は低かった,②各情報別得点の変動係数は,重要性の順位が上位のものでは小さく,下位のものでは大きかった。すなわち,健康障害に対する重要性認識には個人差が小さいのに対し,生活環境変化に対する重要性認識には個人差が大であった,③重要性順位は調査対象3集団間で有意な正の相関を示し,重要度認知ランクづけは各集団でほぼ相似であった,④10種の情報に判定得点の集団間差がみられ,それぞれの所属機関の業務内容が重要度判断に影響している傾向がうかがえた。
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