特集 伝えたい情報・知りたい情報
情報を市民のものに—東久留米・老いを考える会の活動を通して
副島 礼子
1
1東久留米・老いを考える会
pp.109-111
発行日 1996年2月10日
Published Date 1996/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901315
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
飛び込んできた相談—怒りと嘆き
先日,保谷市内の高齢者在宅支援センターのソーシャル・ワーカーを介して,弁護士である夫のところに緊急の相談が入りました。在宅介護支援センターの紹介で高齢の父親(Aさん)をリハビリのために老人病院に入院させたところ,1か月もしないうちに廃人同様の身体にされてしまったというのです。
Aさんは奥さんとの2人暮らしでした。奥さんは数年前に脳梗塞で倒れ,身体障害2級で半身不随の身でした。Aさんは高齢ながら俳句の専門誌への投稿・写真などの趣味をもち,近々それらをまとめて本にするということで活発に行動されていました。それがここ1年ほど身体の具合が悪くなって入退院を繰り返し,デイサービスにも通うようになっていました。老夫婦だけの暮らしであることから,リハビリのために一時入院することを在宅介護支援センターの担当者に勧められ,いろいろ病院を紹介されました。そして青梅の山奥にある老人病院に入院したところ状態が悪化し,3週間もたたないうちに重度の痴呆状態と診断されました。さらにMRSAにも感染しているといわれました。
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.