学生の広場
老人患者を通して“老い”を考える
真鍋 信一
1
1北斗会看護専門学校
pp.1034-1037
発行日 1992年11月1日
Published Date 1992/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900747
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はじめに
整形外科病棟実習で,91歳の大腿骨顆上骨折の患者を受け持った.患者は,常に私や病棟スタッフに対し遠慮深い態度を示し,「すいません,ありがとうございます」と手を合わせることが多くみられた.
この患者が示す態度は,不幸にして健康を害し,日常生活の大部分を人の手に委ねるようになった患者が抱く遠慮,人間関係が成立していないための遠慮など,様々な要因が考えられた.しかし,この患者の示す,時として「あわれな」あるいは「卑屈な」ともいえる行動は,それらとは異質なもののように思えた.
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