研究
雲仙普賢岳噴火災害における保健活動
野中 伸子
1,2
,
金子 仁子
3
,
三宅 美恵子
4
,
松園 朱實
5
,
田崎 さえ子
5
,
市川 ひとみ
5
1前,国立公衆衛生院専攻課程看護コース
2現,島原保健所
3国立公衆衛生院公衆衛生看護学部
4深江町役場
5島原保健所
pp.739-747
発行日 1995年9月10日
Published Date 1995/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901218
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はじめに
近年,日本各地でさまざまな災害による被害が続発している。現在まだ混乱の最中にある阪神大震災を始め,昨年7月の北海道南西沖地震などは多くの人々の生活や命までも奪う大惨事であった。
長崎県の雲仙普賢岳は,平成2年11月17日に198年ぶりに噴火活動を再開し,平成3年6月3日の大火砕流で死者43人をだす大惨事となった。その後も火砕流や土石流などの被害が続き,終息の兆しもなく長期化する災害に住民の避難生活は長い人で4年目を迎えた。被災地の島原市,深江町では早期復興を願いながら,さまざまな災害対策が継続されているが,被災地での保健活動は,自然相手でしかも過去に例を見ないことだったため,日々暗中模索の状態で活動を続け,今日に至っている。
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