特集 災害・被害を受けた住民への支援 暮らしとコミュニティの再建をめざして
―有珠山噴火災害―保健所と町の保健師の連携が鍵
羽山 美由樹
1,2
,
大道 淑恵
3
1北海道岩見沢保健所企画総務課
2前 室蘭保健所企画総務課
3虻田町健康福祉センター
pp.336-341
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100479
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有珠山が噴火した直後からの初動期・応急期には,各地からの応援を得ながら,災害を受けた3市町(虻田町,壮督町,伊達市)の避難所へ保健活動を実施した。その後の長期にわたる復興期では,虻田町と室蘭保健所とが連携・工夫し,通常業務を継続しながら被災住民に対する健康支援を実施してきた。
外部の力が得られない復興期の1年半は,とても長く苦しい期間になった。また,さまざまな健康課題が時間の経過や支援によって解決されていくと,自立・再生力の弱い世帯が,噴火・避難という事件による変化に適応できずに取り残されるようになった。このような世帯には保健活動だけでは対応できない。福祉・労働・教育などの各分野の総合的な支援が必要な状況が,次第に明らかになった。
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