Japanese
English
特集 災害精神医学の10年―経験から学ぶ
自然災害
雲仙・普賢岳噴火災害被災住民の長期経過後の精神的問題
Long-term Mental Health Problems among Residents Evacuated Following the Eruption of Mt. Unzen-Fugen
太田 保之
1
,
荒木 憲一
2
,
本田 純久
3
Yasuyuki OHTA
1
,
Kenichi ARAKI
2
,
Sumihisa HONDA
3
1長崎大学医学部保健学科
2長崎ウエスレヤン大学
3長崎大学熱帯医学研究所熱帯感染症研究センター
1School of Health Sciences, Nagasaki University
2Nagasaki Wesleyan University
3Research Center for Tropical Infectious Diseases, Institute of Tropical Medicine, Nagasaki University
キーワード:
Natural disaster
,
Evacuee
,
Survivor
,
Psychiatric problem
,
General Health Questionnaire
,
GHQ
Keyword:
Natural disaster
,
Evacuee
,
Survivor
,
Psychiatric problem
,
General Health Questionnaire
,
GHQ
pp.241-246
発行日 2006年3月15日
Published Date 2006/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100226
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
はじめに
1990年11月に噴火した雲仙・普賢岳は44人の死者を出し,最多時には人口の約1/4に当たる11,000人の被災住民に長期間の避難生活を余儀なくさせた。我々は1991年以来,避難住民への精神保健対策を継続的に行ってきた。その支援過程で,避難住民の精神医学的問題をGeneral Health Questionnaire30項目版(GHQ-30)4)を用いて,避難生活開始から6か月後(第1回調査:1991年11月),12か月後(第2回調査:1992年6月),24か月後(第3回調査:1993年6月),44か月後(第4回調査:1995年2月)の計4回にわたる調査を実施し,経時的な変化を報告してきた1,9,11)。
火砕流や火山性地震などの火山活動は次第に沈静化し,1996年6月に噴火終息宣言が出された。噴火終息後における被災住民の健康状態を経過観察するために,第5回調査(1999年11月)と第6回調査(2003年11月)が実施された。また,第6回調査においては,GHQ-30とともにImpact of Event Scale Revised(IES-R)2,16)による調査が行われた。それらの結果を踏まえて,被災住民の長期経過後における精神的健康問題に関して報告したい。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.