特別寄稿
被災後のこころに起こる反応とそのケア—こころのケアの提供者のためのガイドライン
阪神大震災によるPTSDへの対応を支援する会
pp.735-738
発行日 1995年9月10日
Published Date 1995/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901217
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本誌51巻7号でご紹介した「阪神大震災被災者の支援に携わるみなさまへ」は,文字どおり,看護婦や保健婦あるいはボランティアなど,第一線で被災者のケアに当たる人々が,燃え尽きないで支援を継続することができることを目的に,「阪神大震災によるPTSDへの対応を支援する会」がつくったものである。今回ご紹介するパンフレットは,同じ会にて編集したものだが,対象者は精神科的アプローチに従来より興味をもっていた保健婦や臨床心理士である。大震災による心理的反応を呈する被災者に直接第一線で心理的アプローチを提供しなくてはならない方々の,対応の指針として活用していただくことを自的としている。
大災害のあとの心理的変化はむしろ正常で自然なものであり,これらをすべて病的であると考えることは誤っている。しかし,自然な反応だから放置してよいというものではなく,やはり人々は深く傷ついているのであり,この期間に適切なケアを提供することが,PTSDの予防につながる。
仮設住宅その他で被災者の身体的社会的問題の早期発児や相談業務に従事するかたわらで,心のケアに取り組む時の参考になれば幸いである。川名典子(聖路加国際病院精神科外来)
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