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普賢岳ニモマケズ,土石流ニモマケズ—雲仙普賢岳噴火災害健康保健対策 長崎県島原保健所・島原市・深江町
石井 義治
pp.337-340
発行日 1994年5月10日
Published Date 1994/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900918
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雲仙普賢岳の噴火による大火砕流と,その多数の犠牲者が世間の耳目を集めたのは,3年前の1991年6月のこと。その後も終息しない普賢岳の活動と堆積した火山灰による土石流のため,島原市と深江町では多くの住民が家や農地を失い,仮設住宅や公営住宅住まいを余儀なくされ,現在に至っている。この現状に対して,島原市と深江町を島原保健所が支援する形で,雲仙普賢岳噴火災害健康保健対策が展開されている。
この事業は,普賢岳の活動が活発化した1991年5月に始まる。噴火による保健医療問題に関係機関で対応する健康対策会議の下に,医療確保対策,長期避難者へ医師会などの協力で行われる夜間休日検診,保健所・島原市・深江町の保健婦による家庭訪問,保健婦に代わって仮設住宅を全戸訪問して避難住民の健康状況を把握する自治会役員や民生委員らの訪問相談員制度,そして長崎大学医学部の協力を得て実施されたストレス度調査および火山灰の影響を調べる呼吸器機能健診など,さまざまな取り組みが行われている。
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