研究
住宅改造による要介護者および介護者への効果—第2報:住宅改造目的別にみた介護者の満足度による評価
大室 博子
1
,
桜井 文乃
2
,
島内 節
3
,
石井 享子
3
,
深野木 智子
3
,
瀬川 ヒロ子
4
,
鶴岡 恵子
4
,
飯塚 早苗
4
1東京医科歯科大学神経内科
2虎ノ門病院7階南病棟
3東京医科歯科大学医学部保健衛生学科
4東恵都江戸川区健康部管理課訪問サービス係
pp.213-220
発行日 1995年3月10日
Published Date 1995/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901111
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はじめに
現在,要介護者の健康管理やQOLを考えた生きがい対策が盛んに行われている。在宅ケアには,「要介護者,介護者,生活環境という3つの要素がある」1)といわれており,要介護者の在宅療養の安定,継続をはかっていくためにはそれらのことだけでは不十分である。介護者自身が介護を担当しながらも,自らの健康を維持し充実した生活を送れる条件を保障していくことも必要である。
生活環境とは生活している場であり,住宅も含まれる。その住宅は,ライフスタイルの拠点である。人間は加齢に伴い身体能力が低下し,それに加えて身体機能を障害している者はさらに生活環境(住宅構造)に適応しにくくなることが考えられる。現在江戸川区では,平成2年度から「すこやかすまい助成制度」により,高齢者の住環境の整備を実施している。これは,65歳以上を対象に,日常生活で介護を必要とする高齢者が,暮らしやすいように手すりをつけたり,浴室や手洗所などを改造する場合,その工事費を助成する制度である。
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