連載 保健婦による目のつけどころ—住宅改造・福祉機器導入に際して・1【新連載】
住宅改造や福祉機器の導入は何をめざしているか
鳥海 房枝
1
1東京都北区高齢福祉部
pp.70-74
発行日 1997年1月10日
Published Date 1997/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902848
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はじめに
在宅で寝たきり状態にある人々への援助の必要性がいわれ,社会問題として扱われたのは,昭和40年代後半頃のことである。これを受けた自治体の中には,独自の事業として訪問看護制度を発足させたところもあった。そして,昭和58年に施行された老人保健法では,保健事業6項目の中に訪問保健指導や機能訓練事業をとり込み,これらを市町村が実施するものとして位置づけた。
訪問事業を各自治体が看護としてとり組み始めた頃は,“寝ている者は寝ている状態”を前提にして,床ずれの手当てや保清(清拭)を主な援助にしていたように思う。しかしその後の老人保健法施行により,訪問リハビリがとり入れられ,起居動作やR・O・M訓練などが行われ始めている。そして今日,地域リハビリテーションは,「障害をもっていてもその人が満足し,納得できる生活を送れるようにすること」と包括的な概念として整理されている。
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