連載 白金台365歩のマーチ—国立公衆衛生院看護コース研修生の素顔・3
先生,センセイ,それは……
なかむら ひろこ
1
1平成6年度専攻課程看護コース
pp.162-163
発行日 1995年2月10日
Published Date 1995/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901100
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先生方のお部屋
看護大学の卒業生の方はイメージしやすいと思いますが,公衆衛生院には各先生方の「研究室」というものがあります。私は国立病院附属の看護学校出身で,先生といえば高校の職員室のように広いワンフロアに机を並べて仕事についている姿しか思い浮かびませんでした。衛生院に入学する前,「○○先生の部屋を訪ねて,よろしく伝えてね」などと,衛生院卒業生である友人から頼まれて,私は「うん」とわかったように答えながら「先生の部屋」というイメージがピンときませんでした。
入学当初は,どんな先生がどんな研究をされているのかわからないため,研究室にお邪魔する口実も見つけにくいのですが,講義が始まると学生も興味や研究テーマに応じて先生方の研究室を訪ねるようになります。4〜7月に先生方を訪ねる大きな理由の1つが,特別演習の指導教官をさがすこと。特別演習とは公衆衛生に関する特定のテーマについて研究論文を書くことで,学生にとって1年間の大仕事です。研究したいテーマにぴったりの指導教官はどの先生か。人生のパートナーを見つけるのに近い心境で,自分からお見合いを申し込んだり,他の先生方を紹介していただいたりします。中には「優しくて包容力がある」ことを基準に指導教官をさがす学生もいました。
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