勤務医コラム・27
先生がいない
中島 公洋
1
1慈仁会酒井病院外科
pp.1073
発行日 2011年8月20日
Published Date 2011/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103675
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- 文献概要
高校同窓会の冊子をつくるのに広告集めをすることになり,私は近隣の開業医・病院を担当することになった.アポイントを取り,相手方へ伺う.専門科・病院規模ともに多岐にわたる.事務長さんや院長先生と,よもやま話に花が咲く.皆さん異口同音におっしゃることは,「どこかに良い先生はいないかなあ」ということである.各病院により,求められるDr像というものは,これまた多岐にわたるであろうが,結局は「その病院のカラーに馴染んでくれて,なごやかにコミュニケーションができて,よく働き,腕も良い先生」を欲しているのである.かく言う私自身,そのような理想像からは程遠い.手術室や外来でつまらぬことに腹を立てたり,ブツブツ文句を言ったりして,全くなっていないのである.優しくしたいのにできない未熟な自分がいる.日当直の回数が多過ぎて,心身ともに疲れているのかもしれない.イカン,イカン,このままいくとdepressionに陥りそうだ.どこかで良い先生を見つけて一緒にやっていきたい.この際,外科医でも外科医でなくても,男でも女でも,若くても年寄りでも,そんなことはどうでもよい,とにかく人柄の良い先生が欲しい…….これは独り私個人の望みではなく,全国の中小外科系病院をmanageする立場の方々に共通する望みではなかろうか.
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