特集 保健・福祉の新たな関係—統合・連携の課題
地方自治体にみる保健と福祉の連携・統合の構造
前川 清治
pp.259-265
発行日 1993年4月10日
Published Date 1993/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900672
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連携と統合をめぐるさまざまな動き
保健・医療・福祉の連携と統合をめざす新しい試みは,「高齢化社会」が進行する中で多様な形で取り組まれている。それは全国の地方自治体の中でも,さまざまな形で展開されている。
高齢化と過疎に挑戦し,保健と医療を主軸に福祉との連携プレーを積み重ね,住民の生命と健康を守る地域ぐるみの体制がつくられ,新たな生活文化を育てながら21世紀への展望を切り開きつつある町村がある。都道府県のトップを切って条例を改正し,保健・医療・福祉の統合化へ向けて「保健福祉部」を新設するとともに,保健所と福祉事務所を再編成した県もある。また保健と医療と福祉の連携が必要なケースに一体的な相談体制を整備するとして,行政区ごとに「福祉保健相談室」をスタートさせ,「福祉保健センター」の整備をめざす政令指定都市もある。さらに在宅福祉と利用者を結ぶ「おとしより保健福祉センター」を設置し,大都市の中で相談と援護活動に取り組んでいる特別区もある。
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