特集 第14回社会医学研究会(主題・地方自治体と保健衛生)
巻頭言
住民に期待される地方自治体
柳沢 文徳
1
1東京医科歯科大学
pp.792
発行日 1973年12月15日
Published Date 1973/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204764
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衣食住は身近な生活体験として,受けとめられるものです.空気・水・土地ひいては食べもの,交通などをふくめて,健康との関係という観点にたって考えるよりも,不健康とか病気にむすびついてみつめなければならぬ時代です.このような激しい時代はいうまでもなく,独占資本のつくりあげた経済の高度成長と,無批判な科学技術の乱用に求めることもできます.最近の「日本列島改造論」によりまだ健康的だと考えられる地方都市も大都市と同じに危険がせまってきています.この点は本学会でも明瞭に指摘されています.
住民の期待は実質的,今日的日常生活における改革はもちろん国の政策にかかわることでありますが,その反住民的施策のなかにあって,1つの運動の展開は革新的な自治体づくりにあります.住民との対話によっておこなわれる地方自治体の行政は,自治体をよりいっそう民主的な方向をつくりあげています.
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