連載 「健康日本21」と自治体・3
住民参加と地方自治体の役割
守山 正樹
1
1福岡大学医学部公衆衛生学教室
pp.427-434
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902315
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
日本人と日本の国がさらに健康になるには,どうしたらよいだろうか? 考えを進めた結果,健康日本21が姿を現した.国は計画の中枢として,健康日本の理念と実際を総論と各論にまとめ,提案を行っている1).都道府県と市町村は,役割を異にするにしても,国の基本方針を現実化し,地方計画を具体化させる任務を負っている.
しかし「具体的な計画を立てる」とはどういうことだろうか.健康日本21の各論では,既に目標が細かく設定されている.この数値は,どのように受け止めればよいものであろうか.地方が実情に合わせて自由に見直してよいものであろうか.目標値が地域の実情に合わせられるべきものであり,個人を拘束するものでないとしても,いったん数値として掲げられると,それが大きな意味を持つことも事実である.地域に合った目標値を掲げながら,それを上からの規制・拘束力とせず,住民からの自発的な盛り上がりに重点を置くには,どうしたらよいだろうか.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.