連載 ホワイエだより・10
「介護」を考える
二宮 敏子
1
1稲毛ホワイエ
pp.54-55
発行日 1992年1月10日
Published Date 1992/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900412
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ホワイエでの学び
稲毛ホワイエで,ぼけの方たちとお付き合いをするようになって丸4年になりましたがそのすぐ前には自分の家庭での介護の生活がありましたので,ぼけと関わりを持つようになってから17,8年になりますでしょうか。ホワイエでは自分の体験を生かすというよりも,そこで学び取ることの方かはるかに多いと感じています。けれどもまた,改めて家庭介護の重さということを思っています。
他人の立場から関わってみると,ぼけの人に対する気持ちは,家族自身のものとは大分違う部分のあることに気づきます。家族にとってどんなに大切な人であっても,ぼけてしまった今,毎日の大なり小なり何かしら起こるトラフル,平常とは違ういろいろな気遣い,夜昼なしで,それが何年も続くということ。ぼけが何であるかを,心から理解し得ている人にとっても容易ではないことです。
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