特集 痴呆ケアを考える―看護職の視点,介護職の視点
【インタビュー】痴呆になった人とその家族を理解する―アルツハイマー病の夫の介護を通して見た医療者
二宮 敏子
1
1稲毛ホワイエボランティア
pp.762-768
発行日 1997年11月15日
Published Date 1997/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688902427
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「呆け老人をかかえる家族の会(注1)」の千葉県支部が開設する「稲毛ホワイエ(注2)」というデイケアホームにおじゃまし,代表の二宮敏子さんにお話をうかがいました.二宮さんは,アルツハイマー型痴呆となった夫(当時58歳)が70歳で亡くなられるまでの12年間,ご自宅で介護された経験をお持ちです.当時は訪問看護制度がまだなく,また介護職による援助も頼まなかったため,外部との接触は月1回の往診のみ,あとはすべて二宮さんがされるという状況でした.
二宮さんはご主人の看とりを終えられた後,「呆け老人をかかえる家族の会」の千葉県支部の申し出により,デイケアホームを開設し,代表としての役割を引き受け,10年間つづけておられます.大勢のボランティアで大勢の痴呆老人を介護する稲毛ホワイエの現在の形は,二宮さんご自身が孤立無縁で介護をされ,大変なおもいをされてきた経験がもとになってできているともいえます.
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