連載 地域ターミナルケア—看とりを支える沼隈町の通所訓練教室・6
デイケアの年間行事—秋から春へ
松井 京子
1
1広島県沼隈町
pp.56-60
発行日 1992年1月10日
Published Date 1992/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900413
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“よく生きる”ための老人健診
9月はじめ,まだ残暑の厳しい頃,老人健診の始まりである。高齢者を対象とした健康診査(循環器,肺ガン健診)で,約400人の受診者に混じって,デイケアのメンバーも健康チェックを行なう。毎回の健康観察に加え,血液,心電図,眼底検査など総合的な検査をし,そのデータをもとに通所訓練顧問の内科,整形の医師および主治医より,訓練時や療養上の注意についてアドバイスいただく。往診だけでは実施不可能な検査もあるので,主治医も受診を勧めてくれる。
会場内を車椅子で移動したり,杖で歩いたり。ところどころに椅子を置いて休憩できるように,あるいは転倒のないようにと,スタッフはいろいろ気をつけながら健診を進める。メンバーが参加しはじめて久しいが,健診協会も慣れたもので,もしもしフォン片手に,なかなか浮かんでこない細い血管と格闘しながら,できるだけ短時間ですむようっとめてくれている。また,久しぶりに会う老人クラブの会員と四方山話をしながらの健診も楽しみである。荷物を持ってくれたり,車椅子を押してくれたりする光景を,問診をとりながらチラッと見ている私は思わずニコリとしてしまう。
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