特集 家族への援助—家族療法を中心にして
子どもの問題から家族システムの歪みが明らかになった家族への支援
伊藤 真由美
1
1新潟県湯之谷村役場
pp.562-568
発行日 1990年7月10日
Published Date 1990/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900088
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はじめに
保健婦活動において,個人や家族関係の一部に原因を求めるだけでは,その問題解決に至らない家族を経験してきた。このような家族に対して,どのように支援すればよいか試行錯誤していたとき,「家族システム論」という考え方に出会い,たとえ入口の問題は個人でも家族の相互関係を意識し,家族のなかでおこっている事実(役割・交流パターン・意思決定など)に注目することを教えられた。家族が相互に影響し依存し合って,生活を営んでいることはよく知られている。
しかし,おこっている健康問題が家族にとってどのような意味があるのか,どのように影響を及ぼしあっているか,当の家族でさえ意識していないことが多い。
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