ライフスタイルの歪み改善策

　近年，わが国の疾病構造は「移される病気から，作られる病気へ」変化した．成人病の予防と治療に大切なことは，「わかっちゃいるけどやめられない人を健康のために，悪いとわかったらちゃんとやめられるような人にする」ことにつきる．すなわち，自分自身の生活を客観的に見つめ直すことのできるもう1人の知性豊かな自分を各自が用意できるように手助けすることが，私たちの責務である．

　この仕事で成果を挙げるためには，従来の治療医学の砦である病院のハード，ソフトとスタッフでは不可能とみて，筆者は10年前（財）北陸体力科学研究所を設立，スポーツコミュニティ・ダイナミックを併設した．スタッフは整形外科，内科の医師の他，運動生理学研究員（日本体力医学会評議員）2名，運動指導員（4年制体育大卒）15名，臨床検査技師4名，管理栄養士2名，心理相談員1名，ナース3名，保健婦1名，他13名の構成で，これを17科あるリハビリテーション病院と整形外科病院2病院のリハビリマインドに満ちた職員計360人がサポートする（注：（医）リハビリテーション加賀八幡温泉病院職員294名，整形外科芦城病院職員66名）．