特集 家族への援助—家族療法を中心にして
痴呆性老人とその家族への援助—痴呆性老人を抱える家族懇親会を中心に
殿村 壽敏
1
,
田中 麗子
1
1大阪府高槻保健所
pp.555-561
発行日 1990年7月10日
Published Date 1990/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900087
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はじめに
今日における健康問題,これに関する多くの人々の重要な関心の1つは,精神—いわゆるこころの活動に関する問題と言える。なぜ今この問題なのか,言い換えれば精神保健の今日的意義として,「①精神保健の歴史が,精神疾病への誤解,無理解に対する改革運動として始まり,今日でもこの問題が終わっていないこと,②予防的観点については変遷はありながらも引き続き重要であること,③精神保健の問題が,先進国,後発国を問わず急増していること」1)の3点を指摘しておきたい。
われわれは精神保健の問題と言えば,ややもすればストレス,不適応,現代社会云々とこの問題を広義に捉えがちであるが,特に①,②についても十分に注目しておく必要があろう。
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