活動報告
第1子の乳児をもつ母親の看護上のニード
白井 英子
1
1帯広高等看護学院保健婦科
pp.874-878
発行日 1979年11月10日
Published Date 1979/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207883
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はじめに
当学院における公衆衛生看護論の展開は,公衆衛生看護論総論,特論I1),特論II2),特論III3),研究4)の5本の柱で組みたてている。その中の一つである特論Iは"乳児とその家族の健康状態,おかれている環境,その他の生活条件によって生じる乳児と家族の看護上のニードについて究明し,さらに適切な方法で援助を試みその成果の評価考察を研究的におこなう"ことを学習の目的としている。
乳児の看護上のニードに関する研究は,母親にアンケート調査を実施しまとめているものが数種あったが,看護記録をもとに看護上のニードを分析しているものは最近の文献では見ることができなかった。学生実習の共通点は,対象が第1子の乳児とその母親であること,看護記録用式が同一のものであることの2点である。個々の学生の能力差はあるにせよ,学生が記載した看護記録の範囲内でデータにもとづいて母親側からのニードと学生側からの看護上のニードとを対比させて分析考察を加えてみたいと考えた。今回は,昭和49年度から51年度までの学生53名についての看護記録をもとに,保健婦学生に援助を求めていた母親側のニードを究明し,さらに約9か月間にわたる学生の訪問支援を母親はどのように受けとめているかについてのアンケート調査とを統合し,乳児期の看護支援のあり方を一考察したい。
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