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■要旨
3~4か月児健診の問診票の自由記載欄の母親の主訴の分析を行い,母親のニーズを満たし,健診に対する満足度を高めるために必要とされる専門的知識や育児支援について検討することを目的とした。対象は,3~4か月児健康診査を受けた母親1349人のうち,自記式問診票の自由記載欄に記述があった338人(全受診者の25.1%)とした。主訴の記述内容は延べ468件あり,最終的に13カテゴリーが抽出された。
母親の主訴は,【子どもの日常の過ごし方や関わり方について知りたい】【子どもの発育についての不安や,からだの気がかりについて相談したい】【授乳に関する不安や心配がある】【離乳開始や離乳食に関する不安や悩みがある】の4つのカテゴリーからなる『子どもに関する主訴』,【産後のさまざまな身体的症状や疾患についての訴えと病気を抱えながら育児することへの不安】【育児不安やストレスが多く,母親自身の気持ちが不安定】【子育てのサービスや制度を知りたい】【出産後の家族計画について知りたい】の4つのカテゴリーからなる『母親自身に関する主訴』,【子どもを2人以上育てることへの困難感がある】【育児支援者の不在】【家庭内での育児方針の不一致で悩んでいる】【外国人のため,日本での育児に不安がある】【家庭内での複雑な問題や危機的状況を抱えている】の5つのカテゴリーからなる『育児環境および家族関係に関する主訴』の3つに類型化された。
今後,3~4か月児健診において,母親1人ひとりに応じた保健指導を行うための保健師の質的向上と,最新の子育てサービス情報の整備や健診で把握した要支援者の確実なフォローなど,母子保健事業の精度管理の強化が必要であると考えられる。
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