連載 組織活動・1【新連載】
母親の育児していく力の形成と組織活動—1.活動の全過程の概要
山崎 早苗
1
,
稲垣 ふみえ
1
,
赤部 智子
1
,
鈴木 昭子
1
,
古田 真司
1
,
西村 知子
1
,
堀田 美波
1
,
福島 道子
1
,
久常 節子
1
1国立公衆衛生院衛生看護学部
pp.882-886
発行日 1987年10月10日
Published Date 1987/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207404
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はじめに
国立公衆衛生院では,教育課目の1つとして,「合同臨地訓練」を実施している。合同臨地訓練とは,さまざまな職種の者がチームを編成し,4週間にわたって,広く公衆衛生領域における課題について,調査,実験,討論など,種々の方法を用いて,実証的,実践的に取り組んでいくものである。また,「臨地」というように,地域に臨んで,公衆衛生にかかわる現場の人々に触れながら1つの課題を深め,方法や技術等についても体得していくものであり,昭和61年度は5つのテーマが設定された。その1つが,今回,私達が報告する「母親の育児していく力の形成と組織活動」である。テーマ毎に,その目的が説明され,学生が自由に選択するもので,このテーマについては以下のような説明がされた。「近隣関係が疎遠である都市の母親は,自ら進んで育児不安に対する近隣の支援を得られにくい状況がある。閉鎖された母と子の関係の中では,密着した育児により母親が子供に過度に期待し,関心を持ちすぎて,育児不安が増大しやすいといわれる。また母親の近隣関係は育児のあり方,子供の遊ばせ方に反映するとも言われている。
こうした状況に焦点をあて,関係機関へのかかわり,母親自身への面接を通して,地域の中に母親の育児していく力の形成を可能とする仲間づくりを組織活動の入口として,うみ出していくことを目的とする。という内容のものであった。
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