特集 保健活動見直しの実践的試み
地域難病ケア活動を対象として—東京・多摩地区の保健婦による研究成果の報告
研究活動の概要と方法
多摩地区保健活動研究会
,
PHC研究会
pp.730-736
発行日 1982年9月10日
Published Date 1982/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206565
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
保健所などの現場で日常業務に忙殺されていると,やっていることへの疑問をもちながらも,活動はどうあったらよいか,どう問題を打開したらよいかなどと見直す機会もなく過ごしていることが多い。また,従来,講師の話を聞いて勉強するという受身の形の研究会が多かった。そのような状況の中で,昭和54年頃から,自分達の仕事を発表し合い,その中から学べるものをつかみ,日日の仕事に生かしたいという動きが我々の間に出てきた。
最初に,どこの保健所でも実施されている母子保健を取り上げ,1人1人が自分の仕事を見直すことを目的として話し合ったが,おのおのが話そうとする次元や,目のつけどころが異なるため,なかなか話題を共有することができなかった。例えば,疫学的な疾病問題を強調する人,住民の健康問題に注意が向く人,活動における住民側と提供側のかかわりが大事だという人,そして活動を支える提供側の組織的体制を問題とする人,などが集まって視点を統一することなしに話し合う場面を想像してみれば,容易にその状況を理解できるであろう。
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.