Japanese
English
総説
産褥期の母親の育児力に関する文献検討
A Literature review on child-rearing ability in the postpartum period
壹岐 さより
1
,
松本 憲子
1
Sayori IKI
1
,
Noriko MATSUMOTO
1
1宮崎県立看護大学
1Miyazaki Prefectural Nursing University
キーワード:
育児力
,
形成支援
,
産褥期
,
母親
,
文献検討
Keyword:
育児力
,
形成支援
,
産褥期
,
母親
,
文献検討
pp.13-22
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7011200128
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抄録
【目的】近年、核家族化や家族形態の変化、貧困家庭の増加等により育児を取り巻く環境は大きく変化し、非常に不安定な状況に置かれている。そのような中、母親となった女性は、子どもと触れ合った経験の少ないまま育児力を身につけていくことを求められる。育児力は、生活の中で学習を積み重ね形成していくものであり、これは妊娠期から形成されるものであるが、本格的に育児が始まる産褥期においては特に重要であると考える。そこで本研究は、産褥期の母親の育児力に関する研究を検討し、研究の動向や課題について明らかにすることを目的とする。
【対象と方法】医学中央雑誌Ver.5およびCiNiiにて2000年以降の文献から「産褥期and育児力」、「産褥期and母性行動」のキーワードで抽出された28件を分析対象とした。
【結果】抽出した28件の文献は、「母親への支援」12件と「母親の心身と生活の状況」16件に類別された。さらに「母親への支援」は、母親役割獲得過程の支援が8件、産褥期の母親に関わる看護者の視点が3件、育児指導の工夫が1件に類別された。また、「母親の心身と生活の状況」は、母親の心理的変化9件、母親の体験の意味3件、母親の育児に対する評価2件、母親の産後の生活実態2件の4つに類別できた。
【結論】産褥期の母親の育児力に関する研究は、母親役割獲得過程や母親の心理的状況という母子関係に限局したものが多く、産褥期の育児力について研究したものは見当たらなかった。今後は、退院後の生活を見据えた産褥期の母親の育児力形成支援に関する研究の必要性が示唆された。
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