読者からの手紙
育児ノイローゼの母親と私の活動
O生
pp.9-10
発行日 1966年12月10日
Published Date 1966/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203798
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「もしもし,たびたびで申しわけないんですげど宝荘のKさんが,夜ねむれなくて,すっかり疲れてしまい困っているらしいんですけど,少し話を聞いてあげて下さいませんか……。」と今日もまた,S町会婦人部の方から電話があった。さっそく乳児のカードをさがし出して訪問してみた。
Kさんのところは,民間アパート2階の1室,4.5畳を上手に使い,赤ちゃんは,ダンボール箱のBedの中にはいっていた。日当たりはよく割り合い静かなところである。Kさんの話を要約すると,Kさんは24歳でS県出身,無職。夫は28歳の会社員。第1子出産で家族3人となった。Kさんは上京以来会社勤務していたが,妊娠5か月で退職し現在家事従事。妊娠中母親学級を受けるチャンスもなくまた,主治医の十分な指導もうけられないまま分娩したということであった。訪問時,分娩後1か月であったが,10日ほど前に実家の母親は田舎に帰り,今は自分一人で育児をしている。生下時の体重が標準をやや下まわっていたので今もまだ3,500gと他の子に比べると小さい。カンに書いてあるとおりにミルクをのまない。夜よく泣く。便の回数が定まらない。小児科で受診しても,病気でないために指導もしてもらえない。
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