個人史レポート
終戦前後の動乱期を乗り越えて—山川ますへさんの活動の軌跡
小野 桂子
1
1岐阜県大野保健所
pp.205-217
発行日 1985年3月10日
Published Date 1985/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206967
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1.はじめに
保健婦とはいったい何なのかと問われる昨今である。いろいろの看護の概念も出てきているが,公衆衛生看護とは何であるかと迷う前に,我々の先輩の歩いてこられた足跡を正しく見つめ,事実に基づいて記録しておくことは,今後我々,もしくは若い世代への道標になると確信し,ここに1人の先輩保健婦を紹介したいと思う。
彼女,山川ますへさんは,戦争ムードたけなわの時世に看護職の道を選び,敗戦,戦後の動乱期を経て,保健所保健婦として地道に,しかも地域の中に溶け込んで,住民と保健婦と一体となって成果を挙げてこられた。この姿には学ぶべきものが多々あると思う。これらの事実を今後の指針として,新しい保健指導の道を開拓していく任務を我々は示唆されているのではないだろうか。
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