調査報告
老人の性に関する保健婦及び保健婦学生の意識調査
押山 トシ子
1
,
佐藤 悦子
1
,
千葉 照子
1
,
斉藤 由美
1
,
陳野原 美江
1
,
長沢 美枝子
1
,
斉藤 由美子
1
,
関本 敬子
1
,
山田 成子
1
1福島県立総合衛生学院保健学科
pp.219-229
発行日 1985年3月10日
Published Date 1985/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206970
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I.緒言
人間の本能には,食欲,性欲,集団欲(群れる)の三つがあるということは,周知のとおりである。しかし,こと性のこととなるとタブー視されがちで,看護職にあるわれわれでさえも敬遠しがちであることは否めない。まして,老人の性ともなればなおさらのことで,ともすれば意識にものぼらないということも少なくない。ナンシー-F-ウッズは"人間は,70歳になっても80歳,90歳になっても性的活動ができる。また,性的衝動は一生を通じて変わらず在する1)"と1960年に報告している。そのような中で老人の性を考えずに老人に接していた保健婦学生の家庭訪問実習時の体験報告を受け,われわれもまた,老人の性をともすればないがしろにしがらであったことに気づかされた。
近年,老性2)(中川は,老人の性を老性と述べている。そこで,以下老性と引用する)に関する調査報告は,わずかながらなされているが,老人そのものに対する意識調査にとどまり,保健婦などを対象とした老性に関する調査は,われわれが知る限りにおいては,未だ報告をみていない。
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