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Community Focus in Public Health Nursing: Whose Responsibility?―地域に焦点を当てた公衆衛生看護—その責任を担うのはだれか
ELIZABETH T. ANDERSON
,
川久保 美雪
1
,
宮地 文子
2
1愛知県総合保健センター
2埼玉県立衛生短期大学
pp.199-204
発行日 1985年3月10日
Published Date 1985/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206966
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ヘルスニードを満たすために,地域全体に焦点を当てた活動として非常に有名な例として,19世紀末から20世紀初頭にかけて,リリアン=ウォールドによって始められたヘンリー街のセツルメント活動を挙げることができる。このセツルメント活動が発展していく過程で,ウォールドは看護婦(nurses)が通常行うものとされていた業務の範囲を越えて,さまざまなニードにこたえていった。それは,病人に対する従来のケアよりも,はるかに広い範囲をカバーするものであった。そして次に掲げるように,ウォールドの残してくれた言葉は,今日もなお,公衆衛生看護婦(public health nurses)にとって意味を持ち続けている。
"我々は基本的に,看護婦が行う地域に対する包括的なサービスは,次の2つを出発点とすべきだと考えた。すなわち,その1つは,患者への個別的な働きかけであり,もう1つは,近隣の人々と組織的な関係を持つこと,である。我々の目的は,孤立した事業をおこすことでは決してなかった。我々は,公的であれ私的であれ,信条にかかわりなく,社会改善のために働くすべての機関とグループの援助を受けるだけでなく,それを活用することを計画した。我々の活動計画は,これらのすべての機関の活発な相互刺激によって方向づけられた。したがって"公衆衛生看護婦"という言葉が最もよく我々のことを表現していると考えた1)。
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