発言席
大きい保健婦さんへの期待
西 智子
1
1東京都世田谷区乳幼児育成相談所
pp.249
発行日 1984年4月10日
Published Date 1984/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206809
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私が保健婦さんを身近に知るようになったのは,発達障害研究会という,行政機関内における障害児の現場職員の自主研究会を通じてでした。それまでは保健婦さんのイメージというと乳幼児の健診や狭い意味での地域での医療保健活動(在宅の老人・病人のケアや予防接種に代表される活動等)を思い描き,これほど仕事が多岐にわたっているとは考えておりませんでした。研究会のメンバーの多くの人が,障害児の問題に関して,「保健所に問い合わせてみようと思ったことがなかった。」という感想をもっていたのですから,私に限らず,まだまだ"保健婦さん"のイメージは医療(それも昔ながらの医療的側面のみ)に限定されているようです。ましてや,子育てに悩んだり,障害児をかかえて医療機関を点々としている一般家庭の主婦にとって,保健所はまだまだ自分から足を運びにくい所ではないでしょうか。最近は各保健所でさまざまな試み(○○相談等)をして下さっているようですが,もっと保健婦さんの活動内容の理解を広め,親しみやすい保健所のイメージづくりをしていただければと思うのです。
現在私は,心身の"発達の遅れ"や,さまざまな"問題"をかかえたお子さんを,育成保育部門と各専門部門(医師,理学,言語,心理--発達検査及び母親カウンセリング)とでトータルにその子を援助していこうということを目的とした相談所に勤務しております。
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