書評
—R. A. Lawrence 著 竹内 徹 横尾 京子 訳—母乳哺育ガイドブック—その理論から指導のしかたまで―Breast-Feeding: a guide for the medical profession
村田 文也
1
1東京都立築地産院
pp.306
発行日 1984年4月10日
Published Date 1984/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206822
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わかりやすく説得力がある
我国の乳児死亡率は年々低下し1980年には世界で最低のスウェーデンに次ぐ第2位となった。人工栄養法も進歩し,経済的にも先進諸国の仲間入りをしている。このような情況下でなぜ母乳栄養の確立に熱心に努力する必要があるのか,母子保健関係者の中にも十分に納得していない人が少なくないようである。本書の著者も"日本語版へのことば"の中で,「女性が自分の子供を母乳で育てようとするとき,まず体験することは,多くの場合医師が適切な援助を与えることができないために……母乳哺育が困難となることである。……十分な知識を持った医療従事者の援助を受けて…」と述べている。
著者LaurenceはRochester大学の小児科と産婦人科の準教授であり,彼女自身9人の子供を母乳で育てたとのことである。"はじめに"の中で,科学的データを最大限にして,逸話的な情報を最少限にするよう努力した。……目的は個々の母親と子供を取扱う上で必要な実際的な情報を提供することである」と述べている。
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