特集 老人保健活動で活動の活性化を
第15回自治体に働く保健婦のつどい集録
第15回自治体に働く保健婦のつどい事務局編
成人をめくる保健活動の課題
第2分科会 成人保健と地域の生活 第1会場
住民の健康づくりと民間療法を考える
鎌江 真五
1
1箱崎診療所
pp.583-595
発行日 1983年7月10日
Published Date 1983/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206706
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東洋医学と西洋医学の相違点
西洋医学は,持っているものを要素に分解して,その要素からものを考えようとしますから,たとえばイモを1つの食べ物として考えた場合,イモに含まれている栄養素は何か,イモという1つのものをいくつかの要素に抽出して,その要素の働きでイモを考えようとします。これは人体でも同様で,例えば肝臓を例にとった場合,肝臓の細胞のレベル,もっと言えば細胞から下のレベルまで視点を落として,いくつかの要素に細分し,その分析した要素の働きでもって肝臓全体を見ようとする。それが1つの特徴だと思います。それからもう1つの特徴は,必ず計量的にとらえようとすることです。肝臓病を例にとれば,症状はもちろん重視しますが,肝機能検査のデータで全体を見ようとする,数量的にものを見ようとします。その2つの点が西洋医学の特徴として非常に際立っています。
ところが漢方の場合,"イモ"全体が体にどのように働くかという,まるごと動き方の問題のみを注目します。つまり"イモ"の持っている性質一体を冷やすか温めるか,それも体の上半身を温めるか,下半身を温めるかというイモ全体の持っている体に与える性質を重視します。必ずしも,"イモ"何グラムとか,"イモ"に含まれる要素含量がどうとかとは言いません。
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