発言席
住民のための保健所づくりの先頭に
中山 幸子
1
1東京都杉並区東保健所
pp.657
発行日 1984年8月10日
Published Date 1984/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206870
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保健所に勤務するまでは,私の頭の中にある保健婦のイメージは,"保健所のおばさん"という感じだけで,内容までは深く知りませんでした。私が歯科衛生士として保健婦に接するなかで,保健婦が,日本国憲法の第25条にある生存権にかかわる重みのある職種であり,住民の健康になくてはならない存在であることを強く感じたのです。
私は保健所を"公衆衛生の場"というよりは,歯科衛生士として本来の仕事ができる所と思って選びました。当初の私の業務姿勢は,虫歯になりにくいおやつは何か,歯みがきは正しく行われているか,など口の中の問題としてとらえていました。しかし,保健婦さんと共に業務を行うなかで,歯科衛生士の教育にはない公衆衛生の理念,ケースに対する指導のあり方などを具体的に見聞きして,"公衆衛生の歯科"とは何かを探していくようになりました。
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