第28回日本公衆衛生学会から シンポジウム
予防接種の現状と課題
金子 義徳
1
,
山中 克己
2
,
渡辺 一彦
3
,
平山 宗宏
4
,
大原 啓志
5
,
大野 英一
6
,
金子 義徳
7
,
神谷 昭典
8
1東邦大学医学部
2名古屋市千種保健所
3名古屋医師会
4東大医学部保健学科
5岡山大学医学部
6国立公衆衛生院
7東邦大学医学部
8名古屋大学医学部
pp.48-76
発行日 1971年8月10日
Published Date 1971/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204951
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緒論として
司会 それではただいまからシンポジウム"予防接種の現状と課題"を始めさせていただきます。
学会の最終日を迎え,あと数時間にわたりましてご熱心なご討議をいただきたいと存じます。実は司会者のほうからこんなことを申し上げるのは,きわめて不穏当なことかとも存じますけれども,いわゆる"予防接種"という本日の主題は,正直言いまして,またかという感じを若干免れないところでございます。おそらくこの"予防接種"という主題ほど,これまでこの学会やあるいは閥連の学会におきましてしばしば論じられ,あるいは検討されてきたテーマはないのではないかと思うわけでございます。ある意味でこの問題についての検討はし尽され,あるいは問題点は出そろっているんではないかと思います。それなのにあえて再び三たびこういう課題でシンポジウムを設定する。あるいはこの問題を取り上げなければならない。実はこういうところにほんとうの意味での問題がひそんでいるんではないかというようにも考えられるわけでございます。もちろん,私から申し上げるまでもございませんけれども,今回の学会を貫く基調,太い糸として貫いておりますのは,60年代の巨大な変化に,ある意味で対応しきれず,そういう私たちの反省というものの上に立って,70年代の公衆衛生従事者の責務を探究するということになっております。これがあらゆる今回の総会行事を通じての,考え方であったろうと思います。
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