特集 伝染病予防
予防接種—その課題と対策
金子 義徳
1
1東邦大学医学部公衆衛生学教室
pp.393-399
発行日 1965年7月15日
Published Date 1965/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203072
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■まえがき
One to oneの医療活動に対してMassとして人の健康を取り扱う立場にたつ公衆衛生としては,国民死亡の内容や疾病像の変化などの数字として現われてくるものに関心を払い,その対策を考究することは当然であろう。いわゆる成人病も予防医学活動によってその発生を防ぎ,また死亡を滅らす可能性が立証されつつあることも周知である。
本文の主題である予防接種に関連する伝染病については統計数字をまつまでもなく1〜2の疾病を除いては著しく減少した。今日においてはジフテリアや百日咳患者を診ないで医学校を卒業し,あるいは小児科を開業する人も多いはずであり,またそのワクチン接種を担当する側にしても,これによって疾病を予防するという実感をほとんど持たないで実施している人も少くないと考えられる。
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