特別掲載
ピル(経口避妊薬)の危険性
平沢 正夫
pp.77-84
発行日 1971年8月10日
Published Date 1971/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204952
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FDAのウィーク・ポイント
アメリカのFDA(Food and Drug Administration食品薬品庁)が,薬の有効性と安全性にかんして,日本の厚生省よりもはるかにきびしい態度をとっていることは,よく知られている。ところが,こと経口避妊薬にかんするかぎり,どうもダラシがない。いってみれば,FDAの泣きどころになっているかのようである。
『医薬ジャーナル』という業界誌があり,毎号,FDAの承認新薬のリストをのせている。最近号(1971年4月号)では,ことしの1月9日から2月15日までの分が記されているが,経口避妊薬の記載事項は4件。全部で33件中の4件だから,その割合はバカにならない。その承認の項目は,患者むけ包装の折りこみなどであって,経口避妊薬への対策がだんだんきびしくなってきたことにともなう"処置"だ。それにしても,こんな"処置"までとりながら,なぜ経口避妊薬を許可しておかなければならないのか。そこにこそ,問題があるというべきであろう。
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